何故悪いことをしないのか

これは兄が海外で勉強していた時に、現地の人からされた質問。細かいところは違うかもしれないが、大まかにはこんな内容だった。

「日本人は宗教に入らない人が多いらしいね。私たちは神様に見られているから悪いことをしてはいけないって考えるんだけど、日本人は何で悪いことをしないの？」
兄は世間体を気にしてと答えたそう。正解だと思う。

ただ、日本人のいいところも悪いところも浮き彫りにするような質問だなぁと初めて話を聞いた時に思った。世間体というのは正解だと思うんだけど、弱いというか、的の中心を射てる答えではないような気もする。かといってこれ以上端的かつ正確な言葉が僕に思いつけるわけでもないし。兄以上の正解は今の僕には出せない。

悪いことをしないことにこれといった理由もないというのは良いことなのか悪いことなのか。理由がないということは根拠もないということ。もしかしたら悪くないかもしれないことでやったほうがいいことも、みんながやらないというだけで悪いことと決めつけて踏み出せなかったり、一歩を踏み出そうとする人を止めてしまったり、なんてことはよくあることだと思う。かといって、世間体さえ気にしない人なら悪いことし放題なんて言うのも間違ってるし。日本は好きだけど、世間体の重要度が高い環境にあるということはもう少し意識してもいいのかもしれないと思った。

もし同じ質問を投げかけられたとき、自分も納得できるだけの答えを出せるようにしとくのは難しくて大切なことのような気がする。