違う、そうじゃない
古本屋で推理小説をかった。400円くらいだったかな?
うちに持ち帰り、読み始める。
5ページ目に出てきた執事に赤い波線が引かれていて、一言も添えられていた。
「このじじぃが犯人!!!!」
きれいな中古本コーナーという棚で買ったものだから、さすがにこれはないだろうと思いながらレシートをもって店に返本しに行った。
事情を説明すると
「そっ、それは!大変申し訳ありませんでした!!!」
ものすごく深々と頭を下げられ、完全無欠、完璧な接客で別の書き込みのない同じ内容の本と取り換えてくれた。そのまま店員さんは50円本コーナに僕の返品をした本を並べていた。
店を出る僕の右手にはネタの割れた推理小説。
店員さん、そうじゃないと思う。