私の「面白い」

私の「面白い」

読んでくれたら嬉しい。共感してくれたらもっと嬉しい。でも私のために書きます。

こんなじいさんになりたい

祖父の話。

現役の時はある有名企業に勤めたバリバリのエンジニア。齢80を超えてもなお新しいものには常にアンテナを張り、スマートフォンにも果敢に挑戦し続けている。最近の課題は「5G(第五世代通信システム)というものを理解する」こと。まったくもって頭が下がる。

そんな祖父がはじめてスマート端末に触り始めたころ。
写真を横向きの大きな画面で見たい!ということで端末を横に向けてみたのだが画面は縦のまま。そして、設定画面を出したまま考え込む。その様子を見かねた僕が助け舟を出す。

「おじいちゃんどうしたいの?」
「いやな、画面を横にする機能があるのは知っているんだ。見たことあるから。きっと重力を観測するようにしないといけないはずだから、加速度センサーを起動させないといけないんだろうけど、設定画面のどこを探しても加速度センサーの起動スイッチが無いんだ。」

流石と感心しつつ、画面を横向きにする設定のやり方を教える。

「なるほど。全く、最近の若い技術者は人間工学が分かっていないに違いない。」

おじいちゃんよ、あなたが機械に寄り添いすぎているんです。

こういうことを思うのは失礼なのかもしれないが、いずれ年を取って時代についていくのが大変になったとしても、こういう遅れ方でありたい。