私の「面白い」

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読んでくれたら嬉しい。共感してくれたらもっと嬉しい。でも私のために書きます。

人類ドラッグ

メルヴィルの白鯨のを読んだ感想。

人類を熱狂的に突き動かすもの、仮にそれを人類ドラッグと呼ぶとして、「白鯨」は人類ドラッグに死に物狂いになる人の姿の話だと思った。白鯨の名作たる所以は、一種の普遍性にあることだともいえる。人間ドラックは姿かたちを変えて時代とともに推移しているからだ。「白鯨」は今の人間である僕にも痛いほど響いた。人類ドラッグの共通点として、どれも人類発展の起爆剤となる強力なポテンシャルと強力な副作用を併せ持つ。

現時点の僕の答えは以下のもの
鯨→石油→電気→原子力→情報

白鯨の舞台になった時代のクジラはとても重大な資源だった。髭は繊維として、油は燃料として、肉は食料として。
ただ、その事実が招いた悲劇としてクジラの乱獲による個体数の減少や生態系への悪影響がある。クジラというドラッグの副作用に気づいた人類は代替案として石油をみつけたんだと思う。
石油、石炭は産業革命を引き起こした。そして環境汚染や枯渇の心配も生んだ。リスクを軽減させるため、電気という手段にも手を出したが根本的な解決にはならない。
そこで次なるドラッグは原子力。この副作用は日本人である僕らが一番よく知っている、もとい、「よく知っていなければならない」になりつつもある。


続く