私の「面白い」

私の「面白い」

読んでくれたら嬉しい。共感してくれたらもっと嬉しい。でも私のために書きます。

空港をぶらつく(2)

ハワイに行く前に日本食を口にしておこうと牛丼屋に入る。小鉢に入った大根おろしの怪しさに睨みをきかせる白人の赤ちゃんや、恐らく恋人の前で格好をつけたいのであろう割りばしでカレーライスと格闘するアメリカ人の男性もよかったのだが、個人的に心を打ったのは多忙に翻弄されているであろうキャビンアテンダントの女性。
携帯電話先の人と英語で「わかりました、昼食後すぐ向かいます」的な一言を発したかと思えば、大根おろしを牛丼の上にべしゃっと乗っけて箸でかきこみ、湯飲みのお茶で流し込む。咀嚼中は冬眠前のリスのそれなのだが、久しぶりの日本食なのか半分涙目の恍惚な表情。筆者的青少年の夢が思い描くキャビンアテンダントとはかけはなれてはいたのだが、きっとあの女性は素敵な人だ。食器をレーンに返し、ご馳走さまというその女性の顔は本当に凛々しく当に世の多くの女性の憧れるキャビンアテンダントのそれそのものだった。

他にも筋肉隆々の腕に「文化遺産」と入れ墨で刻まれているナイスガイや、ハワイ帰りの一団の中に一人大きく胸元に「サイパン」と書かれたTシャツを着たおばちゃんがいたなど、挙げ出したらそれなりにある。
個人的にはハワイ留学のいい思い出の一つだ。
まだ日本を出てないのだけど。