魅せる力(3)
シールズアイという、檻内の地面からモグラのような要領で一人分だけ顔を出す仕組みの観察ドームがあった。シールズアイとはアザラシの目の意味。間近を歩く北極熊は大迫力だった。
孔雀のブースはクジャクが飛ぶことを想定して高低差のある設計がなされていた。見世物のイメージしかないあの美しい羽根で、優雅に中空を舞う孔雀!!!大迫力だった。
カバは水中からも水上からもなんと一つのプールで観察できるような設計になっていた。
カバは自分の糞が浮いている池でしか安心して生活ができない生き物なんだとか。どうやって、あのきれいなプールで悠々とカバに歩かせていたのかは全然わからない。もぐもぐタイムという、餌をあげる演出では、いろいろな野菜を大口開けて食べるところが見れたし、尻尾を振り回しながら自分の糞をまき散らすカバも見れた。
バリアフリー
演出とは少し違うが、バリアフリーがばっちりだった、車いすの人でも余すことなく動物園中を回れるようにデザインされていた。
見せ方から逆算して動物にとって動機の伴う自然な動きをインパクトと共に伝える。もう完璧。
動物そのものよりも、その見せ方に対してウキウキしている僕は、恐らく邪道な人間なのだろう。
まだ僕の気付いていない工夫もたくさんあるに違いない