あの、えーっと、あれの話
祖父との会話の話。
祖父ももういい歳で、「あれ」や「あの」といった指示語で会話を成立させようということが増えてきた。あるあるなのかもしれないが、祖母の指示語の内容の正解率は断トツで高い。とはいえ、孫の立場で祖母ばかり働かせるのは問題。孫は孫なりに奮闘するのである。
ある日の食卓。祖父が食卓に着くや否や、食卓を見回して、「オイ、あれがないぞ」
僕があれと思われるものを取りに行く。
「違う、これじゃない」
何が足りないか、食卓の上を見回して推理する。
すると祖母が一言
「ちゃんと出てるじゃない」
「あ、ほんとだ」
僕には手も足も出ない。
別の日の食卓にて、
「あれがないぞ」
「はいどうぞ」
「違う。これじゃない」
「じゃあ、どんなの思い浮かべてた?」
「、、、忘れた、まぁいいや」
僕にどうしろと。
別の日のある日、少し僕は気が立っていた。
同じく食卓にて
「あれがないぞ」
「はい、どうぞ」
「違う。これじゃない」
「えー?でもさっきあれって言ったじゃない」
「そうだったかなぁ、、、」
我ながらすごい会話だ