ゲーム音楽の変遷(3)
そんな「とりあえずオーケストレーション」が横行する中、僕の敬愛する任天堂が(厳密にはHAL研究所というゲーム工房だけど)アンチテーゼとして(と勝手に僕が思い込んでいる)約九年前に世に送り出した「毛糸のカービィ」というゲームソフトがある。このゲームはタイトルにあるようにすべて毛糸やフェルトで作られた世界を旅する物語。ここに、オーケストラは似合わないだろうってんで、なんとBGMとして採用された楽器が小学生の楽器の教材、鍵盤ハーモニカやリコーダーだった。僕は心の中で拍手喝采だった。単純にプロの演奏家が演奏する鍵盤ハーモニカやリコーダーの音楽は聴きごたえがある。もちろん世界観にも合っている。そして、何より、恐らくそのゲームの主要プレイヤー層である小学生たちの「ねー、カービィの曲弾いてみようよ、」なんて声が聞こえてくるような気がしてならない。
この小学校教材楽器によるBGMはのちに続くヨッシーシリーズという比較的低年齢層向けと思われるゲームシリーズに引き継がれていく。
そしてついこの間、僕は新しい衝撃にであった。
「ゼルダの伝説 夢を見る島」のリメイクの発表だ。
続く