ゲーム音楽の変遷(2)
オーケストラのBGMに話を戻すと、「とりあえず壮大な感じを出すためにオーケストレーションしてみました」みたいなのが多い。クラシック音楽好きとしては若干腹が立つ。
ゲーム好きのとりあえずオーケストラ感は本当にオーケストラ音楽がなめられているような気がしてならない。最近はゲーム音楽だけで構成されるオーケストラの音楽会なんてのもある。たいていの場合は音楽に合わせて(演奏会なのに)演出としてヒーローショーよろしくガスをまいたりレーザービームを出したりミラーボールを使ったりという始末。特に気に食わないのは、ゲームの追体験のためとかいって、巨大スクリーンをバックにおいてゲームのプレイ画面を上映しながら演奏すること。演奏者たちの後ろだって大切な音響板。明らかに音が本来のポテンシャルよりもやっとしている、特にホルンは致命的だと思う。
本当のクラシック音楽好きなら、「オーケストラには過度の演出に侵されようとも人々を感動させるだけのポテンシャルがあるんだ」くらいの解釈もできるのかもしれないが、生憎僕にはそれほどの度量の深さはない。
続く