私の「面白い」

私の「面白い」

読んでくれたら嬉しい。共感してくれたらもっと嬉しい。でも私のために書きます。

看板が切れるんです!!(3)

前作までは雑草を切れば切れるということが伝わりますが、今作からは斜めに振り下ろしたり、垂直に切り上げたり、水平に切ったりすることを演出し分けられるようにする必要がでてくる。ただ、雑草ではその演出の仕分けは難しい。そこで白羽の矢が立ったのが看板でしたとさ。木製の板が剣の通った道をなぞるように割れる!挙句の果てに切れ端が水に落ちれば浮くし、水面を波紋が走っていく。この処理の手間、どうかしています。
ゲームの世界はコンピュータが実権を握っており、ニュートンのリンゴですらもコンピュータに「リンゴは落ちるものですよ」と教えてあげないと落ちてこないのです。坂に落ちればリンゴは転がる物だと教えなければ転がりませんし、落ちる床の材質と音を教えてやらねば、地面にリンゴが落ちた時の音すら出ません。

看板の場合、切れる前の看板と切れた後の看板を用意し、切られた後にそれらを切り替える演出を入れ(実際のプログラムは少し違いますが)、看板が切れた後は読めなくなる処理を入れ、水に落ちた時と地面に落ちた時の音を変える処理を入れ、それ以前に音をまず覚えこませて、水に落ちた時は水面を看板の破片が滑っていく処理を入れ、それに合わせて波紋が広がる処理を入れ、、、もう考えただけでも気が遠くなりそうな手間なわけです。でもそれがゲームの世界の実感へと変わる。だからあのゲームは面白いのです。結果として、あらゆるゲームの中で最高の評価を受けるような作品になったのです。
面白くなったという自信を具現化した言葉が。

「今度のゼルダはね、看板が切れるんですよ!!!」

というわけです。

続く