JOKER(6)
その.12 ジョーカーの出自
ジョーカーの恐ろしさの要因の一つに、身元がはっきりしていないという要素があると僕は思う。得体の知れない共感できない人間が純粋な悪意で襲って来るからダークナイトのジョーカーは恐ろしかった。それが今回は共感できてしまうないようになっていたのが残念だった、前半までは。トレイラーで母親らしき人間が写し出された時点で不満だったのだが、中盤の記憶がらみのストーリー展開はその不満を見事に解消してくれた。自分の出生の礎となる記憶が信用できないものとなった時点で身元に関すること一切が信用できなくなる。前半で共感してしまっているだけにそこの仕掛けの威力は強大だった。
その、13 実写の意義
何度もタバコをふかしたり、痩せこけた上半身カットをいれるのはリアルだからこその演出。水や風や煙といったアニメやCGでは再現が難しいものが多くカットに入るのは個人的には黒澤明的だと感じる。上半身裸はアーサーが客人が来ることを想定していないことや余分な服をわざわざ用意する金銭的余裕がないこと、もしくはそういったことに関心が無いことを表現している。
まだまだ綴り足りないので残りは後日に回す。最後にもう一度。
ヒースレジャーの方が良かった。