私の「面白い」

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読んでくれたら嬉しい。共感してくれたらもっと嬉しい。でも私のために書きます。

小島秀夫の語り口(6)

思えば、(現実にはありもしない)ナノマシンで人間を管理してるだとか、初期の小島作品にもかなり強引な世界観の設定はあったが、今ほど強引な気はしなかった。それらは一応歴史のifの範囲で納められていたように感じる。むしろ現実の世界の話にする為にウソをホントのように語る手腕にとても魅力を感じたりしていた。それだけに、今の潮流に小島監督が乗ってしまったことに少しさびしさを感じる。

 

進撃の巨人の実写版の例にあるように、設定や世界観に対してとやかく思うのは少数派なのかもしれない。冷静に考えれば、僕が最も敬愛するコンテンツであるところのドラえもんは、非合理的なデザインの子守用ロボットが「未来デパート」などと言う過去から見た場合でしか成立しないような名前の商店で市販されている”秘密”道具を居候の身で使いまくるという何とも強引な話だ。その根拠となる理由は”未来から来たから”の一点のみ。ドラえもんを素直に楽しんでいた時はそれで十分だったし、むしろ未来というものに対する期待が増していたというもの。

設定の在り方にとやかくケチをつけるということはもしかしたらナンセンスなことなのかも。

そうでなくとも近年は映画とその他のエンターテインメントの境目があいまいになってきている。この記事の語り口自体もナンセンスであるというものである。