私の「面白い」

私の「面白い」

読んでくれたら嬉しい。共感してくれたらもっと嬉しい。でも私のために書きます。

有効なメディアを選ぶ

これは、受け手ではなくて、作り手の話。
表現には様々な手段がある。文字に起こす、音楽にする、言う、ボディランゲージにする、絵本にする、漫画にする、映画にする、ゲームにする、とかとか。伝えたい内容、伝えたい相手によって最も有効なメディアというものはある程度存在すると思う。僕の人生において、その選択が特に巧みだったものをいくつか。

博士の愛した数式
小川洋子による小説。ごめんなさい、本をあまり読まない僕がたまたま大感動したというだけです。ただ、映画と比べて愕然とした。本の方がいい。断然いい。数学の問題が解けた時の感動をこんなにも的確に言葉にできるものなのか!!!とびっくりした。個人的に。
文字で表現することの最大の利点は、何事でも「度合い」が的確に受け手に伝わること。例えば、「怖いお化け」。文字で書かれた「怖い」は(文脈にもよるが)読者の経験の中の「怖い」が当てはめられるわけだから、間違いなく怖い。しかし、絵や、声といった読者以外の怖いが介在する表現の怖いは、伝える側と受け取る側の怖いのセンスが一致しなければならない。この作品の感情の表現は、僕の出会った文字作品の中ではとてもクオリティの高いものだった。

続く