私の「面白い」

私の「面白い」

読んでくれたら嬉しい。共感してくれたらもっと嬉しい。でも私のために書きます。

言葉を作る一つ偉大さと一つ恐ろしさと

人は、国に住むのではない。国語に住むのだ。

ルーマニア人の思想家、エミール・シオランの言葉。
人間の思考は言葉に依存しているので、自分の考え方は生まれた国というより、しゃべる言語で形成されるという意味。

例えば、ワニという生き物がいる。英語だとクロコダイル、アリゲーター、ガビアルという3つの単語(種類)で表されるが、日本人はまとめてワニだ。日本人にとってワニというものが重要でないから細分化する必要が無いということなのだろう。そのせいか多くの日本人はワニというものを認識することができても、その違いは認識できない。言葉がないおかげで認識ができなくなるのだ。逆に文化にワニが深くかかわっている地域の人間には違いが分かるに違いない。
多くの場合、物事を認識するにはそれを指し示す言葉がなければいけない。むしろ言葉があれば存在しないものだって認識できるようになる。覇気とか運とか。
そういうことをシオランは言いたかったのだと思う。

言葉を作ることは認識を増やすこと。今まで認識できなかったものを認識できるようにするということ。
これは単純に偉大なことだ。

続く