小島秀夫の語り口(3)
ここで、ようやく冒頭の議題に戻ってくるわけだが、ことストーリーテリングにおいて、果たして小島秀夫作品は映画的なのか。
ここからどんどんオタクが加速する。
僕個人の見解として、小島秀夫作品の語り口が映画的だったのはMGS4までである。
MGS4までの小島秀夫作品は全体で見て一つの作品という側面が強かった。得点、スコアが決定されるのは常にすべてのストーリーが語られ終わってからだったし。途中でストーリーを戻してやり直すということは基本的に想定された作りになっていなかった。オープニングからエンディングまで数時間におよぶ一本の映画といった感想だ。
それがMGSPWになってからはゲームがかなり小分けにされている。ミッションごとに一覧にされて、ストーリーの過去の部分に戻ることが簡単になり、再び最初からやり直すということは無くなった。その続編であるところのMGSVにおいては各ミッションごとにオープニングとエンディングがついているという演出の変わりっぷりである。
これは何なのか。さしずめ、VOD(ビデオオンデマンド)張りであるというのが僕の見解だ。
続く