オタクは口が悪い(2)
人間というものの良さの一つは他の生物が弱点、異常として排除してしまうようなところを個性、多様性という言葉に言い換えて認めあうことができることだ。その為に気づかいというものが生まれ、言葉遣いや礼儀作法が生まれる。
それなのに、コンピュータというある種最も人工的な物はなぜか人間らしさと逆行している。気づかいや「良い」の多様性は皆無。ある意味誰が正しいかを一発で判別してしまう。おかげでそれを扱う人間たちの表面上の、あくまで表面上の礼儀みたいなものをそぎ落としてしまうのではないかなぁと思った。
それが必ずしも良いわけではないけど、オタクの醸し出す独特の空気感として、僕は結構好きだったりする。
僕のつたない文章力で冒頭に紹介したコンピュータクラブがどのように映ったかわからないが、悪いように映っていたら誤解を解かなくてはいけない。罵倒の声のトーンに悪意に類するものはかけらもないし、どちらにも必ず一理ある言い分があるし、相手の言い分は必ずしっかり聞いているし、本質的でない発言は最小限であったとしてもほとんどの人が共有できる笑いの為のボケくらいだ。
そしてなにより、言う側も言われる側も笑顔だった。
あそこは間違いなくいい組織だ。